第4回・イバラードファンによる・・・イバラードな世界展
イバラードな世界展は、イバラードファンが参加する公募展で、毎年開催されています。

期間:2002年12月5日(木)〜17日(日)
会場:イバラード東京事務所(ギャラリーアートスペース)

営業時間:10:00 〜 17:30 (日曜日は17:00まで)



出品作品一覧


審査結果発表

審査・井上直久
粒ぞろいで全体の質がかなり高くなっている。
一つ一つを見ても、丁寧に心をこめて作られているのがよくわかる。
絵画の作品は、水とか植物とか難しいものに挑戦して、それなりに表現できているのが とても良いと思った。
立体では、それぞれがイバラードの世界をさらに広げるというオリジナリティーを加味しているのが 印象的だった。
審査する方も、イメージを触発されるような作品だったので、充実感があった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー井上直久




[受賞者一覧]

<イバラード賞> mitsu ・・・ 賞品・石めげ、版画「世界はあなたの標本箱」
・オブジェ・・・作者(井上直久)により造形化されていないのに形を作って、しかも、イバラードのイメージにふさわしいものになっている。
葉巻の真正ルリタバコのマニアックさも、見て楽しい。
・絵画・・・仕上げは、とてもきれいだがスケール感と人物の体の描写がもう1歩がんばってほしい。
女性の前にある岩の面の奥行きの描写がすばらしい。両方とも世界が感じられる。


<タカツング賞> 渡辺きぬ ・・・ 賞品・石めげ
・オブジェ・・・存在感が強くて力のある作品である。
鳥か魚になって、この中をくぐりぬけてみたい気がする。
外から見ると少しまとまりきっていないところがあるが、中央からのぞきこんだ感じは良い。
<スイテリア賞> SIMOON ・・・ 賞品・石めげ
・オブジェ・・・見る人の空想を刺激して、空の広がりを感じさせる作品である。
正面から見るのもよいが、後ろのからくりも面白い。


<ニーニャ賞> コト ・・・ 賞品・石めげ
・オブジェ・・・イバラードの立体化というだけではなく、動きとストーリー性が感じられる。
質感の使い分けも見ていてとても楽しい。
細かいところまで行き届いた楽しい作品だ。
<タルブラ賞> 慶 ・・・ 賞品・石めげ
・絵画・・・色を出す工夫・努力が感じられて、成果があがりはじめている。
次は、石の質感と空間の中での位置や距離の表現の仕方ですね。
中央の水面に向こうのラピュタが映ると、相互の位置関係が出ると思います。
植物の色は自然な感じで良い。


<キャラ賞> ケーイチ
・絵画・・・スケール感があり筆のタッチが生き生きしている。
水と緑という難しいテーマによく取り組んで、大きな空間を出している。
浮いているラピュタの位置関係がわかると、なお良い。


<コダツノ工房賞> Yas
・オブジェ・・・絵の中のものが次々立体になって飛び出してくる楽しい作品である。
できれば、その先にもストーリーが広がってゆくともっとうれしい。
ぼくは、金魚1と2が特に気に入っています。


<ブレガラッド賞> おさむし
・オブジェ・・・一見なんでもない形が集まると、めげゾウに見える、という着想がとてもいい。
それともめげゾウをスライスしたものだろうか? 木の質感も手に馴染んでうれしい。

<シンセスタ賞> ojo
・絵画・・・作品に対する愛情が感じられる心楽しい小品。
個々のものに描写が行き届いたように全体の大きな構図に、もう少し配慮できるとなおいい。
<シンセスタ賞> リオ
・絵画・・・水面の波はなかなかいい。雲の距離感がもう少しほしい。
塔は、もっと水にはっきり映り、できれば水面下にある感じがわかるとなおいい。
広がりが感じられて気持ちのよい空間である。
<シンセスタ賞> にゃんにゃん
・絵画・・・草の色がいい。絵の具の質感も生きている。
遠景の塔の街がもう少し淡く表現されると月との距離感が出て、さらに良くなると思う。


<イバラード東京所長賞> ケーイチ ・・・賞品 版画「スターシップの店」
スケールの大きさで将来に期待します。
大胆なタッチが気持ちいいです。
そのタッチを保ちながら細部まで感じさせるようになると、すごいです。
ポイントになる部分を もう少し描きこむと、もっと説得力のある作品になると思います。(フクオカ)


<審査を終えて・・・審査経過>

東京から茨木市の井上先生のアトリエに皆さんの作品を搬入しての審査となった。
作品をお見せするにあたって、制作者名は告げずに、まったく白紙の状態でご覧いただいた。

ずらっと作品を並べ終えて、まずおっしゃられたのは、「こりゃ〜全員に賞を与えたいくらいだな〜」と言った 驚きの声だった。
まず目に付いたのは、陶製のオブジェ(渡辺きぬさん)だった。
出品作品の中でも群を抜いた大きさだったこともあるが、その入り組んだ構造の焼き物は、 陶芸もされている井上先生には、その難度は見て明らかだったのだろう。
そのあと、目を付けられたのは、mituさんのルリタバコのオブジェだった。
そのオブジェをしばしご覧になって、これはイバラード賞だ! と、すぐに決定された。
わたしは、並み居る作品の中で、どうしてすぐに決定されたのか不思議だったが、 お話を聞くと、「実はこのような作品を未発表の漫画の中で描いているのです。」 と、身近かにあった未発表のイバラード漫画を手に取って、そのページを示された。
そこには、メーキンソーらがルリタバコに火を点け、タバコの先から羽の生えた龍の人のような女性の像が煙となって 出て来ていて、まさにその出品作に近いものだった。未発表なので知る由も無い。偶然の出来事だったのだ。 このことが井上先生の心を動かしたようだ。

さて、次に陶製のオブジェは、その素朴で豪放な作風からタカツング賞、そしてグラスファイバーやアクリルなどで美しい光りが変化するメカニックなオブジェのSIMOONさんの 作品は、高度な文明のスイテリア賞と決定。
ここまでは、ほとんどがオブジェだったが、初めて絵画だけに目が行ったのが慶さんの作品。 前回は、色の彩度や補色などについて勉強した方がいいと、アドバイスされたのだが 今回はどうやら、その効果が出始めたらしい。色がいいとのことだった。
そこで、絵画ではまずこれにタルブラ賞を・・・そして、コトさんのオブジェの出来栄えにも目が行った。
キャラクターの雰囲気がよく出ていて、繊細で丁寧な仕上がりだったため、上位の賞を与えざるを得ない・・・ とのことで、ニーニャ賞と決定。

ケーイチさんの作品のスケールの大きさも目立っていたのでキャラ賞を。 今後に期待したい。
おさむしさんの木の材質を利用しためげゾウには、木と言うこともあり 初めてのブレガラット賞を。
ojoさんのペンによる点描も注意を引いた。 にゃんにゃんさんの唯一の日本画作品は、その絵肌がきれいだった。ハワイからの出品となったリオさんの作品は、 水が上手なのは、ハワイに住んでいつもきれいな海を見ているからだろうか? などと冗談をおっしゃりながら 、作品をじっくり眺めながらコメントをされたのだった。彼らにはシンセスタ賞が与えられた。

以上、気がつくと二時間半ほどが過ぎていた。
前回もそうだったが、評価の高いのは、イバラードの絵画に出てくる世界をさらに自分の創造性で表現・発展させたものだった。
やはり、作家にこんなのを作りたかったんだ・・・と感じさせるものが評価が高くなると言えよう。


今回の賞品となった井上先生の作品「石めげ」(天然石に彩色したもの)は、当初10名の予定だったが、残念ながら5名のみに差し上げることになった。
また参加者には全員、井上先生お手製の絵葉書セットが贈られる。

画像は、ただいま出張中のため、近日中にネット上で公開致します。
次回もがんばって応募してください!
今回参加されなかった方は、ぜひチャレンジしましょう!


責任編集:フクオカ


これまでのイバラードな世界展
1999年・第1回イバラードな世界展
2000年・第2回イバラードな世界展
2001年・第3回イバラードな世界展